2026年2月14日。
六甲山のふもとは、まだ冬の空気が残っていた。吐く息が白くなるくらいの寒さなのに、差し込む光はどこかやわらかくて、「寒いけど、あたたかい日だな」と思いながら、YOKORON Coffee Roasteryの扉を開けた。

オープンの日のことを、正直に言うと、想定していたより多くの方が来てくださった。
嬉しい誤算だった。

この写真はオープン前日のお披露目会にて。
コーヒーを淹れながら、次々と顔を見せてくださる方の表情を見て、
じんわりと胸があたたかくなっていく気持ちと、初めてのオペレーションにあたふたしながら、お店が開いたんだと実感した。

そんななかで、ご夫妻で来てくださった、50代の女性がふと言ってくださった。
「何度もお店の前を通っていて、いつ開くのかな〜って楽しみにしていましたよ!」
その言葉を聞いたとき、思わず手が止まった。

まだコーヒーも出していないのに、
この場所を気にかけてくれていた人がいた。

扉の前を通るたびに、
ちょっと気になってくれていた人がいた。

そのことが、じんわりと、でもしっかりと、胸に届いた。

お店の近くにはダイエーがある。ダイエーへ行く時にお店の前を何度も通ったのよ!
新しいお店ができるのが嬉しくって。

バレンタインデーに開店したのは、特別な意味があったわけではない。
ただ、この日になった。でも振り返ると、誰かへの気持ちを届ける日に産声を上げたのは、このブランドらしいかもしれないと思っている。

誰かのためではなく、自分のために選ぶ一杯。でも、その一杯が誰かの日常にそっと寄り添えたなら。

オープンにかけつけてくだださりヨコロンコーヒーを飲んだり、購入してくださった皆さん、本当にありがとうございました。







これからここで、毎週末に、少しずつ言葉を綴っていきます。
焙煎のこと、豆のこと、コーヒーと暮らしのこと。週末の一杯のそばで、ゆっくり読んでもらえたら嬉しいです。

「自分ファーストは、わがままじゃない」
大山ようこ

