夜の静けさが、ゆっくりと部屋に満ちていきます。
照明を少し落として、
お気に入りのマグを棚から取り出す。
今日もいろんなことがあった。
嬉しかったこと、少しだけ疲れたこと、
言葉にできなかった気持ちも、
この湯気の向こうで静かに溶けていく。
お湯を注ぐと、ふわっと香りが立ちのぼります。
それだけで心がほどけて、
肩の力が自然と抜けていくのがわかります。
コーヒーを飲むというより、
“自分を労わる”ためにこの時間を持っているような気がします。

頑張らなくてもいい。
誰かの期待に応えなくてもいい。
この一杯をゆっくり味わうことが、
今日のわたしにできる、いちばんのご褒美。
湯気の向こうで、
一日を終える静かな音がします。
冷めかけたカップの底に残る香りさえ、
今は愛おしく感じます。
明日もまた、新しい朝がやってくる。
その前に、今日をやさしく閉じてあげよう。
——がんばるあなたへ。
どうか今夜だけは、自分を一番に。
